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監督の采配を勝手にタイプ別にしてみた!そこから見える新たな野球とは

監督関連

この記事では、ここ数年で甲子園に出場したチームの監督の采配について、タイプ別に分けて考察しています。

 

監督の仕事は、チームを勝利させること。

 

そして、試合で勝つためどう点をとるかは

監督の采配に寄るところが大きなウェイトを占めます。

 

今回は攻撃のみに絞って

甲子園に出場しているチームの監督の采配を、三つの種類で見てみました。

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「バントしない」打たせてなんぼの監督の采配

野球において監督の采配は

勝敗に大きな影響を及ぼします。

 

当然、采配と言ってもバントやスクイズなどの

攻撃時の指示だけでなく、守備シフトや選手起用なども含めて采配です。

 

しかし今回はあえてそれを

攻撃のみに特化して、甲子園に出場した監督の采配を見てみます。

 

もちろん、あくまで個人的な考察であり

チームの力量、相手、年度によって大きく変化するので、単なる可能性であることをご理解ください。

 

さて、まず見てみたいのは

「バントをしない」監督の采配について。

 

近年バットの操作性や飛距離が

技術革新によって大きく変化してきました。

 

硬式ではありませんが、軟式において

「ビヨンドマックス」なんてものが出たあの年は、まさに革命でしたよね。

 

このように日進月歩のバット事情。

さらには、科学的な知見を取り入れた筋力トレーニング。

 

これらによって、打球がおそろしく変わり

大会通算本塁打などの記録更新も生まれています。

 

この状況下、平成30年の選抜大会で

準決勝まで勝ち進んだ、三重高校の小島監督バントを極力させない采配は、一つの采配方法と言えるでしょう。

 

やっぱり野球というものを見たときに

一番面白いのは、バッティングです。

 

遠くに飛ばすこと、難しい球をヒットにすること…

挙げれがきりがないほど、バッティングには楽しみがあります。

(もちろん、守備が楽しいという人はいると思いますが)

 

三重高校の小島監督もそのように考えていおり

野球はやっぱり楽しくないと、と語り、そのためにバントを極力しないと語ります。

 

では、結果としてどうなのか。ここ数年の活躍を見てみましょう。

平成26年夏 三重5-広陵4

三重4-2大垣日大

三重7-5城北

三重9-3沖縄尚学

三重5-0日本文理

三重3―4大阪桐蔭

平成30年春 三重8-0日大三

三重2―1乙訓

三重14-9星陵

三重2―3大阪桐蔭

ロースコアで勝っているのが

平成30年春の乙訓高校だけ。

 

バッティングの良さから分かる

得点率の高さがよく分かります。

 

そして、逆にそのバッティングが

機能しなかった場合、苦しい展開になるのかな、といった感じでしょうか。

 

バントをしない采配では

このような結果が出るようです。

 

やはり爆発力がある打線と言うものは

火がつけば手を付けられないし、勝つためには火をつけさせないことが大事だということですね。

 

この采配をするチームが相手であれば

まずは余計なことを考えずに守備ができる反面、一発の怖さを痛感するゲームになりそうです。

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バントは多用すべき!名監督にみる采配

もともと日本の野球は

本場から見ると「スモールベースボール」と言われていました。

 

海外から言えば規模の小さな「面白くない」

という意味がこもっている、この言葉。

 

しかし勝つことを目的とした日本の野球では

このスモールベースボールが多用されており、アマチュアの監督の多くがこの手の采配を振るっているはずです。

 

日本の野球の「理想的な得点パターン」はこんな感じですよね。

  1. ランナー出塁
  2. 盗塁
  3. 送りバント
  4. スクイズ、エンドラン、ヒッティングなんでも

ザ・お手本のようなスモールベースボールによる得点。

 

これがチームの型としてはまると

かなり強いチームでしょう。

 

野球はランナーを次の塁に送るスポーツなのです。

 

そして徹底的に送りバントを多用して

ランナーを次の塁に送ることで有名なのが、明石商業の狭間監督ですよね。

 

スリーバントスクイズなんて当たり前。

時には、スクイズの場面でバッターが最初からバントの構えをしていることもありました。

 

とにかく一人のランナーを

次の塁に進めることに特化したこのバント多用の采配。

 

ザ・高校野球であり、ザ・スモールベースボールと言えるでしょう。

 

とは言っても、先述したように

勝つことを目的に置いたとき、この方法が昔から「勝てる」方法だったのです。

 

甲子園などの高校野球の「最上位」の大会では

近年明石商業の狭間監督がするような采配は少なくなっていますが、地方大会レベルまで下がると、意外と多いのではないでしょうか。

 

では、その明石商業がどう活躍しているかというと。

平成31年春 明石商7-1国士館

明石商13-4大分

明石商4-3智弁和歌山

明石商2―3東邦

令和元年夏 明石商4-3花咲徳栄

明石商3―2宇部鴻城

明石商7-6八戸学院光星

明石商1―7履正社

令和元年夏の甲子園が、このチームの強さを顕著に表しています。

 

とにかく拮抗した試合に強い。

選手や監督の精神的タフネスさもありそうです。

 

スクイズや送りバントをするということは

1アウトを差し出す代わりに、ランナーを進めるということ。

 

つまりランナーがたまらないので

大量得点は期待しにくいのです。

 

とは言っても、これがアマチュアスポーツの面白いところ。

接戦に強い明石商業に1点取られたとします。

 

ということは、得点された側から見るとかなり大きなプレッシャーがかかります。

 

そのプレッシャーが

時には自分自身の首を絞め、自滅に向かうこともあるのです。

 

また、流れという恐ろしいものを

確実に手に入れられれば、バントを多用しても大量得点が期待できます。

 

そのあたりの結果は

平成31年の春に出ているのではないでしょうか。

→関連記事: 野球監督の背番号って何番?アマチュアとプロの違いは?

とは言っても

やはり一点差のゲームを勝てるチームは本物のチームです。

 

近年の明石商業の強さは

精神的なタフネスさを、選手も監督も持っているからでしょう。

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走れ!走れ!走れ!足でかき乱す監督の采配

タイトルを見た時点で

もう大抵の野球ファンなら、あのチームの名前が出ているはず。

 

そうです。健大高崎高校です。

 

2020年の選抜大会の出場枠を掴んでおきながら

コロナウィルスによる大会中止の結果、悔しい思いをした健大高崎。

 

3年ぶりの出場だけに

選手も監督も、ぶつけようのない悔しさを感じたでしょう。

 

その健大高崎の青柳監督の采配と言えば

 

「機動力破壊」

 

もう、名前がカッコいいですよね。

この采配にこのようなネーミングたついたとき、新しい野球の「勝ち方」を見た人も多いはずです。

 

とにかく走る走る

どんなカウントからでも、躊躇なく走ってくる様子は守る側にしてみると大きなプレッシャーです。

 

ある意味バントなしのバッティングチームとは違った

「超攻撃的」な野球と言えるでしょう。

 

そんな健大高崎の甲子園での結果がこちら。

平成27年夏 健大高崎10-4寒川

健大高崎8-3創成館

健大高崎3―4秋田商

平成29年春 健大高崎11-1札幌第一

健大高崎7-7福井工福井

健大高崎10-福井工福井(再試合)

健大高崎2―9秀岳館

やはりガンガン走ってくるということは

そもそも、足の速い選手が多いということ。

 

そうなると、ランナーになった時点で

他のチームと比べ、ホームベースが近い(時間的に短い)ということです。

 

また、例えばバッターがバントをしたとしても

一塁到達時間が短いため、守備にはそれなりの技術と守備力が求められます。

 

当然そうすれば、他に穴ができるわけで。

その結果が、健大高崎が大量得点で勝つゲームが多い理由でしょう。

 

おそるべき機動力破壊。

破壊という言葉が本当にぴったりです。

 

このようなチームに勝つためには

まず無駄のない守備をするチームにする、またはそうできる采配を振るわなければなりません。

 

四死球や失策を出してしまうと

それこそ「無駄なランナー」です。

 

当然野球チームの中には

守備力を鍛えられたチームも多いでしょう。

 

それこそ、明石商業のように

拮抗したゲームに強いチームは、守備力が鍛えられているはず。

 

一度健大高崎VS明石商業なんて試合を

甲子園で見てみたいものですね。

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まとめ

バントをしない監督の采配と言えば、三重高校の小島監督は「バントを極力しない」ことで有名です。野球を楽しむ采配であることが分かります。

一方「バントを多用」する采配を振るうのは、明石商業の狭間監督です。拮抗した試合に強いあたり、精神的タフネスさを選手も監督も持っていることが分かります。

足を使った「機動力破壊」の采配で有名なのは、一世を風靡し、今後も活躍が楽しみな健大高崎の青柳監督の采配です。バッティングとは違った「超攻撃的」な野球は、見ている人に新しい野球の勝ち方を教えてくれました。

以上の内容でお送りしました。

自分の理想とする野球や勝ち方は、監督によってさまざまです。

今回3名の名監督の采配を通して、野球の奥深さや楽しさがよく分かりました。

また、時代が移り変わるとともに、采配も大きく変わっているし、その一方で変わっていない定番化した采配は、やはり時の流れで確立された強さがあることも分かります。

2020年の甲子園はなくなってしまいましたが、2021年以降の甲子園で新しい監督の采配が見られることを期待しています。

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