プロ野球の守備力を数値化するUZR。
2022年のデータを通して、その影響力を探ります。
UZRとは何か
守備の貢献度を数値化した指標、それがUZRです。
守備範囲(RngR)
UZRの一部である守備範囲は、プレイヤーがどれだけ広い範囲で守備を効果的に行えるかを示します。
失策抑止(ErrR)
失策をいかに防ぐかもUZRで評価される要素で、エラーを減らすことで得点を抑える貢献を数値化します。
UZRは守備の質を定量的に評価するための指標で、守備範囲やエラーの抑制などを数値で表します。
この指標は、プレイヤーが守備でどれだけチームの得点を防いでいるかを示すために用いられます。
UZRは特定の守備位置のプレイヤー間での比較に有効で、守備の上手い選手を見極めるのに役立ちます。
しかし、UZRには限界もあり、すべての守備スキルを完全には捉えきれないという問題点も指摘されています。
2022年のUZRランキング
実際のデータを見て、どの選手が際立っていたのかを見てみましょう。
内野手のUZR
2022年のUZRランキングでは、内野手の中で特に岡林勇希選手が目立っていました。
彼のUZRは20.8と非常に高く、守備の貢献度が突出していたことがわかります。
外野手のUZR
外野手では、岡林勇希選手が27.1のUZRを記録し、これが両リーグ合わせての1位でした。
この数値は、彼の守備がいかにチームにとって価値があったかを示しています。
UZRは守備範囲や失策抑止、併殺貢献など複数の要素を考慮した複雑な指標です。
これにより、守備の貢献度をより正確に評価することが可能になっています。
UZRの計算方法
この複雑な計算には、どのような要素が影響しているのでしょうか。
守備範囲の計算
UZRの計算において、守備範囲は重要な要素です。
具体的には、グラウンドを複数のゾーンに分割し、各ゾーンでのプレーを評価します。
この評価には、打球の種類や速度が考慮され、リーグ全体でのアウトの数を算出します。
個々の守備プレーを数値化し、それを積み重ねることで守備範囲の数値が出ます。
失策抑止と併殺貢献
失策を減らすこともUZRに影響を与える要素です。
エラーを起こさずにアウトを取ることができれば、UZRは向上します。
また、併殺を成立させる能力もUZRの計算に含まれます。
内野手の併殺貢献度(DPR)と外野手の送球による進塁抑止貢献(ARM)がこれにあたります。
UZRの特徴と問題点
UZRは万能ではありません。その特徴と問題点を見ていきましょう。
相対評価としてのUZR
UZRは同一シーズン内で同じポジションの選手間での相対評価を行います。
平均的な守備者はUZRが0となり、優秀な守備者はプラスの値を示します。
UZRの限界
UZRは守備機会の多い選手ほど値が大きくなる傾向にあります。
これは累積値であるため、守備機会が少ない選手は不利になる可能性があります。
また、投手や捕手は守備機会が少ないため、UZRの対象外とされています。
UZRには表れない守備の上手さや、シーズンごとの数字のブレも問題点として挙げられます。
UZRを活用する意義
UZRが示す守備の価値をどう活用すべきか、その意義を考えます。
守備力の可視化
プロ野球の守備力を数値で捉えるUZR。2022年のデータを基に、その数値が示す実力とは何か、その背後にあるストーリーを紐解いてきました。
UZRは守備の良し悪しを明確に示す指標です。
選手がどれだけ守備でチームに貢献しているかが一目で分かります。
特に範囲守備を数値化することで、選手の動きやポジショニングの重要性がクローズアップされます。
しかし、この指標はあくまで一部の守備プレーに限定されているため、全てを表すものではありません。
選手評価への影響
守備の重要性は言うまでもなく、UZRはその守備力を可視化し、選手の評価に大きな影響を与えています。
UZRが高い選手は守備のスペシャリストとして高く評価されます。
契約交渉やトレードの際に、UZRは重要な判断材料の一つになり得ます。
守備範囲の広い選手はチームの勝利に大きく貢献することが、UZRによって数値的に証明されています。
ただし、UZRは数年間のデータを見ることでその選手の真の守備力が明らかになるため、短期間のデータには注意が必要です。
数字には表れない守備の魅力も忘れてはなりません。
プロ野球をより深く楽しむためにも、UZRに注目してみてはいかがでしょうか。
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