王貞治選手は、数々の名言を残しています。
その名言のどれもが、聞いたものの心を打つような言葉です。
人間として、プロ野球の選手として努力を重ねてきた王貞治選手の名言集から3つ選んで、その言葉に込められた深さをご紹介したいと思います。
王貞治の名言「努力は報われる」の本音
王貞治
巨人知らなかった!
王さん双子だったんだ! pic.twitter.com/aZlElI1K5j— 野球カードマン (@qdBrcHbyOSysBpz) 2019年11月13日
努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない。
これは、王貞治選手の名言です。
多くの野球少年のなかから、プロ野球選手になれるのは、たった一握りのエリートです。
その才能たちのなかで、さらにトップに立つことは並大抵ではないことは想像がつきます。
それを成し遂げるにはどうすればいいのでしょうか?
王選手の出した答え。それは、この名言にあるように、超人的な努力を重ねることだったのです。
練習を見学していたチームメイトから、「とても緊迫感があり、命がけの練習だった」と言わしめるほどの努力を重ねていきます。
そして、その努力は肉体的な練習だけではありません。
相手のピッチャーに揺さぶられない精神を鍛えるため、日本刀を使った居合の練習までもとりこんでいます。
血のにじむような努力があったからこそ、ホームラン868本の世界記録達成へとつながっていきます。
まさに、努力は報われるということを体現した、偉大な存在だったと言えるでしょう。
王貞治の名言~悪い時も前向きに~
王貞治選手は、1959年の入団時、高校卒のルーキーとしては破格の1,800万円の契約金、そして背番号「1」を与えられます。
いかに球団から期待されていたかが分かりますね。
しかし、3年目までは、目立った成績を上げることはできませんでした。
オープン戦では調子が良くても、リーグ戦では打撃が低迷し、三振の山を築いてしまいます。
「三振王」と揶揄されたり、シーズン終了後にトレードの話も出たほどでした。
そんな王選手が、4年目の1962年、荒川博打撃コーチと出会い、指導をうけることになります。
若いころの王選手は、夜遊びが好きで、練習後に抜け出してよく街に遊びに行っていたようです。
野球一本のストイックなイメージからは、ちょっと想像ができないですね。
荒川コーチは、王選手を一目見た時からバッターとしての資質を見抜いていました。
野球に集中するため、王選手に夜遊びをやめさせ、過酷ともいえるような打撃練習を課します。
そして師匠と弟子が試行錯誤のうえにたどり着いたのが、一本足打法でした。
一本足打法を会得した王選手は、シーズン中ホームラン38本と、いっきに打撃の才能を開花させました。
その後も、シーズン55本というホームラン記録達成し、数々のタイトルを獲得するなど、躍進しつづけます。
しかし、1971年、王選手はスランプに陥ってしまいます。
あまりの不振ぶりに周囲が心配するほどのスランプを、王選手は自分の原点である一本足打法のスタイルを貫き、努力によって克服します。
そして、翌年にはホームラン48本と奇跡の復活。
1973年には念願の3冠王を獲得しました。
このように、浮き沈みがあった王貞治選手の言葉だからこそ、この名言が説得力を持つのです。
いい時もあるし、悪い時もあります。自分もまた、それで初心に戻れたりしましたね。
良い悪いは時の運。原点に戻り、自分を信じて前向きに努力することで乗り越える。この名言は心に響きますね。
王貞治の名言~成功者は臆病~
数々の記録を打ち立て、名門球団ジャイアンツの主砲として黄金時代を築いた王貞治選手。
そんな国民的ヒーローであっても、プレッシャーとは無縁でいられないのがプロの世界です。
王選手のこの名言が、そのことを如実にあらわしていると思います。
もう打てないんじゃないかという恐怖は、常について回るんです。
結果を残してきた人ほど不安と戦ってきたはずだし、恐怖心を持っていない人は本物じゃない。
その怖さを打ち消したいがために、練習するわけです。
プロのバッターであるからには、常に勝負の中にあって、結果を出し続けなくてはなりません。
他の球団のスカウトからは常に弱点を研究され、同じチーム内であっても、チームメイトとポジション争いやタイトルを競争するライバルである、厳しい世界です。。
また、どんなに練習をしても、スランプの恐怖はつきまといます。
今日は打てた。でも明日は全く打てなくなっているかもしれない。
そんな思いが頭を駆け巡り、神経をすり減らしたことでしょう。
それでも、応援してくれるファンの前では、そんな弱さは決して見せることはできません。
恐怖心を打ち消すために苛烈な練習をし、自分のなかにある臆病さ振り払って試合に臨んでいたのです。
練習を続けることを現役引退まで自分に課しつづけた王選手は、最後までプロフェショナルであることにこだわった選手だったと言わざるえないでしょう。
王貞治の名言 「努力は報われる」等、名言が深すぎる:まとめ
- 王貞治選手のホームラン世界記録達成は、まさに「努力は報われえる」の名言をがつくりだした。
- つねに原点を見つめ、自分を信じることが、王貞治選手を大選手に育てた。
- 王貞治選手は、臆病さを肯定し、プロフェショナルであることの条件として挙げている。
以上の内容でお送り致しました。
王選手が残した数々の名言は、それほど奇抜なことを言っているわけはありません。
けれども、偉大なホームラン王として、努力を重ね、試練を乗り越えてきた王貞治選手が言った言葉だからこそ、より深い意味を持つのだと思います。